今まではそれぞれの薬の血中濃度推移の挙動について見てきました。
しかし、実際には1日3回など連続して服用をしますよね。
連続して服用した際にどのように血中濃度が推移していくのかを見てみましょう。
定常状態を知る事で
定常状態を知る事で、薬を服用し始めてから(薬を止めてから)どのように身体から抜けていくかを知る事ができます。
自分が飲んでいる薬とその応答の具合を知っておくと、減薬時に薬の量を変化させたときに、その影響がいつに来るかを予測する事ができます。
定常状態とは
まずは、最大血中濃度時間(Tmax)=3時間,半減期(t1/2)=6時間の薬を1日3回服用した時の血中濃度の推移のグラフを以下に示します。
服用した薬は、段々と蓄積されていき、(一般的に)、「半減期(t1/2) の 4~5倍」の時間で定常状態になります。
※定常状態とは、ある一定の値で安定化する。という意味です。
また、逆を言いますと、薬を止めると、同じように、「半減期(t1/2) の 4~5倍」の時間で体内から無くなります。
減薬の際にこの知識が活きます!
この知識は減薬の際に非常に役に立ちます。
「薬の量を減らした結果が出るのはその薬の半減期(t1/2)の4~5倍のところ」という事です。
よって、
- その時間より手前で離脱症状が出てきたら、さらに悪化する
ことを意味しています。減薬のペースが速すぎたということなので、少し量を戻しましょう。
安心して行いたい場合は、その時間+αまで待って、離脱症状や体調の悪化など経過を見て、次の減薬に進むと無理のない減薬が行えます。
多少時間が掛ってしまいますが。。
私の場合
私の場合、レキソタンを服用していますが、半減期(t1/2)は20時間とされていますので、定常状態になるのは80~100時間となります。
※私の経験上でも、減薬した4日後に辛い離脱症状が現れるのでこれをひとつの指針としています。
そのため、私は、マイクロテーパリング(毎回の服用の際に減薬していく。階段状で無く。)していますが、割と速めのペースで減薬をし(もちろん離脱症状の具合を気にしながら)、
1週間程度、ステイをして様子を見ています。
「減薬」と「この量でもOK」ということの地盤強化を交互に行う感じですね。
★私の現在の減薬状況です↓
まとめ
定常状態を知る事は、離脱症状が出る時期を推測できるだけでなく、減薬ペースの計画を決める為の指針にも使えます。
また、辛い時に体内の薬の量を推定できれば、薬の減らし過ぎによる離脱症状か、気圧や体調の変化のストレスによる離脱症状かの切り分けもできます。
これは安心して、1ステップ戻るなど、薬の量を増やせることも意味しています。
自分の服用している薬の半減期を知っておきましょう。