ここでは、
「いったん、服薬量を増量してみては?」
を伝えます(^^;;
タイトルのままですが、ネットの減薬ブログを見ていると「離脱症状が酷くて減薬を始められない人」も多いようなので、まだまだ短い減薬期間ですが、私の経験から一部でもヒントになるところをお伝えできればと思っています。
という私も、以前、常用量の服用で離脱症状が起きており、薬を増量し一時しのぎをしていたものの、「このまま薬の量が永遠に増えてしまうのかなぁ…」という不安がありました。私の場合、偶然でしたが、この一時しのぎの増量が、離脱症状の無い状態での減薬スタートという形となりました。
離脱症状が酷くて減薬のスタートラインに立てない人も多くいると思いますが、一時的に薬を増やす方法もあるのかと思い、私の経緯を記したいと思いました。
一個人の経験で他の方と意見を擦り合わせていないので、このような一例もある程度に受け止めて頂ければ幸いです。
※経緯を飛ばす方は本題へ!
目次
私の薬、増量の経緯
前置きが長くなってしまいますが、本題だけでは、単に「増量しよう!」と言っているだけになってしまうので、どのように薬が増えて行き、またSSRI, 抗てんかん薬など他の薬の効果など、背景を記させて頂きたいと思います。
私は基本的に単剤投与でした。人によって薬の種類、量、服薬期間、離脱症状の出方など、千差万別と思いますので、一つの例としてご参考ください。
発症…
2002~2005年の間、会社員として勤めていましたが、2004年のある日を境に段々と、事務所居室の蛍光灯の光、パソコンの光が非常に眩しく感じるようになりました。
また酷い倦怠感もありました。(倦怠感については本題から離れてしまいますので詳細は別の機会に書きたいと思います。)
その時は単に『ストレス』『自律神経失調症』と思っていましたが、今思うと、2000年頃から頓服~連用で服用し始めた、レンドルミン、マイスリーが切欠になっていたかもしれません。
※期間も2~5年間程度と短いため、これはあくまで可能性です。
ただ、光を眩しく感じる事で日常生活は非常に不便でした。
太陽の眩しい光、夕焼け、100円ショップや雑貨店の統一感の無い色と光のシャワー。息苦しくなるくらい辛かったです。
この様な不便な生活でしたので、2004年から心療内科に罹りました。
1つめの心療内科はSSRIがメインの処方でしたが、2つめの心療内科では、「よりマイルドに」という事で、ドグマチール、レキソタンが処方されました。
身体の怠さは多少あるものの、不快な症状は収まりました。
また、このころは、『光が眩しい』は不快な症状の一つに過ぎず、特に意識する事すらありませんでした。むしろ、頭に水の入ったタライを乗せている感じで、音にしろ光にしろ感度が高くて、刺激があるとその水が揺れ頭がチカチカするなぁ。という感覚でした。(※この症状は、離脱症状として今でもあります。)
その為、この『不便さ』さえ受け入れれば服薬の必要は特に無く、現に2006年秋に病院へ通うのを止めていました(薬の服用はしていない)
ちなみに、2006年の1ヶ月分の処方は、
- レキソタン 2mg 1日2回服用 14日分
- レキソタン 5mg 頓服 20回分
です。
このころの記憶では、
という印象でした。そのため止めることも出来ていました。(ただ、信号機の点滅や眩しい光、交通量の多い交差点には車の往来が激しく、歩道を渡るタイミングに苦労した記憶があります。)
→ 2年間、レキソタンの服薬をせずに我慢をして過ごしましたが、この症状は収まりませんでした。このレベルの症状は現在の私の離脱症状としては小さいレベルですが、私のケースではその2年間の中で、終息する傾向はみられませんでした。
ちゃんと治したい!
2006年に心療内科の受診を一時止めていましたが、光に対する過敏さは続いており、「ちゃんと原因を知って治したい!」という気持ちから2009年に新しい病院で受診する事にしました。
そこでの処方は、当初はルボックス、ホリゾンなどの抗鬱剤でしたが前回同様、光の過敏さへの効果は無く、半年後の2010年にバレリン(抗てんかん薬)が若干の光過敏に効果がありました。
効いてはいましたが、満足度としては60点程度。バレリンも処方量の上限まで試しましたが65点位程度で、更にテグレトールを追加して、おまけで70点位でした。
2年間近くバレリン、テグレトールで過ごしましたが、相変わらずのオマケの70点。
当初の目的である、「原因を知って直したい!」は無理だなと思っていました。
特に切欠はありませんでしたが、たまたま、机の引き出しの中に「レキソタン 2mg」があり、服用してみました。そうすると、ものの30分でピタリと頭の響く感じ/光の過敏さは瞬く間に無くなり、久々に見るすっきりとした視界でした。それまでは刺激が辛く薄目で過ごしていたような状態です。
→ 私の悩みの種の、光への過敏さ、頭の響く感じにはレキソタンしか、効果を示さなかった。(メイラックスも服用したことがありますが、イマイチでした)
その日から、バレリン,テグレトールを止め、別の病院でレキソタンを処方してもらうようになりました。2012年5月のことです。
その時の処方は、
- レキソタン 5mg 1日2回服用 28日分
です。
着実に耐性が付いてゆき増量…
2016年6月位は、
- レキソタン 5mg 1日2回服用
でしたが、光に過敏などの離脱症状が出始めており、かなりギリギリの量でした。その為、30日分処方してもらっているにも関わらず、25日間隔で病院に行っていました。
振返って考えると、30÷25=1.2 なので 12mg/日と同じくらいと考えています。
ちなみに2014年の頃は、3ヶ月分程薬を貯める事もできていました。
ざっくりですが、1年間で1割程増えていくような耐性の付き方だったのかもしれません。
2018年8月から、1か月あたり
- レキソタン 5mg 1日2回服用
- レキソタン 2mg 頓服 30回分
で処方をしてもらい、光への過敏から逃れていました。
私は一体なんの病気だろう?? → ベンゾ!?
一方で、2015年位から、身体の怠さ、集中力の極度の低下が深刻的になって行きました。気力を振り絞って仕事、父親の看病をこなしていましたが、次第に日常生活を送る事すらままならなくなり、更にエネルギーが枯渇し寝込みがちになりました。
2018年の年末は、寝込みながらも仕事のこれからの事を考えたりしていました。ベッドの上で、以前から気になっていた慢性疲労症候群、筋痛性脳脊髄炎、また「ASD感覚過敏とレキソタンの関係」などについて調べたり、関連する闘病ブログなどを片っ端から調べていました。
※当初、私自身の光や音を敏感に感じる症状は、ASD感覚過敏と認識しており、どの様な薬が処方されているのだろう。と調べていました。
そんな中、検索の中で、ベンゾジアゼピンの減薬の記事に出会いました。
当初、ベンゾジアゼピンの離脱症状より慢性疲労症候群、ASD感覚過敏を疑っていましたが、その可能性も残しつつも、「減薬ならば、現在手元にある薬(レキソタン)で開始できるし、とりあえずやってみよう。ダメで元々。」と思いつつ、ベンゾジアゼピンを実験的に減薬をしてみました。
ベンゾジアゼピン服薬のスタートは、レキソタン、マイスリー程度ですので、(原疾患として)果たしてベンゾジアゼピン服用からの離脱症状かどうかは分かりません。しかし、感覚過敏を抑える為に服用していたレキソタンの長期間服用による離脱症状の可能性はあり得ます。
その為、私のまずの目標は、レキソタンを減らす事が目標となりました。耐性ができてしまい、レキソタンの服用量が増える一方だったからです。
どこまで減薬が進められるか分かりませんが、その先に『不快な症状』が無いのか、なんらかの原疾患が出てくるのかは不明です。私の『本質の何か』は、まだまだ、レキソタンの離脱症状に埋もれてしまっています。
一方、3ヶ月掛けて、12mg/日 → 10mg/日まで減らせ、更に、頭のチカチカ/光の敏感さも特段感じていないので、やはりベンゾジアゼピンによる可能性は十分にあります。
本題
前置きが長くなりましたが、伝えたかった事は、『レキソタン 10mg/日の常用量の服用で離脱症状が起きていた状態から、減薬の計画をした』ということです。
一般的な減薬をする方は、
- たまたま服用を忘れたらひどい目にあった。
- 旅行先に持って行くのを忘れ地獄を見た。
- 新聞などでベンゾジアゼピンの記事を見た。
などから、抗鬱剤、抗不安薬、睡眠薬を止めたい。と減薬を開始している方もいるかと思います。
これらの方は、常用量依存は起きていても、その量で離脱症状は起きていないため、そのまま減薬を始める(移行する)ことができると思います。
しかし、常用量の服用で、離脱症状が出ている(出始めている人)は、減薬のスタートラインにすら立つことが出来ません。なぜなら、少しでも減薬をすると離脱症状に見舞われるので。。
当たり前ですが、常用量の服用で離脱症状が出ている人が減薬をしたら、もっと離脱症状が酷くなってしまいます。
これを堪える事で、脳のGABAA受容体の回復を促すのかは不明です。(私は未経験のため)
ただ、私の経験から言えるのは、服用するベンゾジアゼピンの量を減らすと(場合によっては「増やすと」もあると思っています。)脳の感度(状態)が活性的になる様な気がしています。(※揺さぶる感じですね。)
割と昔の減薬ブログでは「ステイは無しで離脱症状があっても減薬は少しでも進める」という記事を見かけたことがありますが、ステイが長期になってしまう場合には、揺さぶる意味で、
1~2週間程度の幅で少し減薬を進めてみたり、2段階位戻ってみたり。
というのは良いことだと思います。感覚的なため、具体的に何を揺さぶっているかを示しにくいですが、脳やGABA受容体、ベンゾジアゼピンへの耐性、薬の代謝、それ以外の運動系や自律神経、身体的など、なんらかは揺さぶる事は良い事と思います。四季も変化のひとつですね。
私個人的には、(何かを示せませんか…)固定化する事は避けたいです。避けたいのは、固定化している間に、徐々にベンゾジアゼピンの耐性ができてしまうことですね。
理屈で説明できないのは、ベンゾジアゼピンを減薬している最中でも、服薬している以上、耐性も同時に付いている筈です。(もしそうでなければ、常用量の服用で耐性はつかない筈です。)
減薬は脳の回復が目的と言われていますし私も同じ意見ですが、
脳の回復とベンゾジアゼピンの耐性形成は同時に起きている。
と思います。
※私の体感的にですが、減薬が脳の回復機能が活性化させる作用をしていると感じるので、(何かが)固定化し脳の回復機能が遅くなると、耐性形成の方が優位になってしまうのでは。と思っています。(まとまりの無い説明で失礼します)
同様に、ストレス環境の一定な自宅の状態より、多少服薬量が多くなってしまうかもしれませんが、外的環境ストレス(気候、人混み、日常生活)に触れることも『揺さぶり』『はずみ』になると思います。
※以前、私自身も、家に引きこもって減薬に集中していた時もありますが、たまたま、街に用事があり外に出たことで、離脱症状に見舞われ、それまでの減薬計画は一発で破たんしました。
逆に今は、体調によって、一時的に増やしたり、減らしたりをしていますが、なんだかんだ減薬は進んでいます。
私は減薬のスタートラインに立つ以前に、10mg/日では堪えられなくて (偶然ですが、) 12mg/日にし、それから減薬をスタートさせましたが、今では良いやり方をしたなと思っています。
もし私だったら…
もし私が「離脱症状が酷くて減薬を始められない」場合、どうするかと困っていたら、まず、その離脱症状が収まる量まで薬を増やすと思います。
もちろん、薬を増やしてまた耐性ができてしまう怖さはあります。(私も耳鳴りで困り一時、薬を増やした時は不安でした。)
ただ、スタートラインに立てなければ減薬も出来ませんし、離脱症状のあるまま減薬を続けることで遷延性離脱症状になってしまうのも辛いです。
現状で離脱症状が起きていてこれから減薬を行うのであるならば、私なら、
①まず、服薬量を一時的に増やします。
②その中で、減薬を見据えてコントロールしやすい量まで増量します。
例えば、1日の服薬回数を変えてみたり、水溶液(減薬はしないで)にしてみたり。
また、自身が困っている症状への効果など特に影響がなければ、薬の置換は行ってよいと思いますが、無理にする必要は無いと思います。
私の困っている症状は、光への過敏、頭のチカチカでしたが、それに対して、レキソタンは効果てき面でしたが、SSRI, デパケン, テグレトールでは、イマイチ効果がありませんでした。もし私が減薬に際してメイラックスなどに置換していたら、減薬はスムーズに進めることは出来なかったと思います。
減薬をしていく中で、自身の離脱症状がモノサシになるので、その状態はクリアに分かった方が減薬ペースなども見極めやすいです。
減薬には、半減期の長いもの。メイラックス、ジアゼパムに無理やり置換する必要は無いと思います。慣れた薬が一番見極めやすいです。
メモ;
本格的に減薬を行う前の予行練習的な減薬で、いろいろと試しましたが、一時的に増やしても減らす事は可能でした。2週間~1ヶ月程度(これも人によると思います)など耐性ができる前であるならば、すぐに戻すことが出来ると思っています。(私は一時的に増やすときは、1ヶ月間程度を目安として計画をし、1.5倍程度に増量したりもしていますが、もとの量に戻しても離脱症状も出ませんでした。もちろん、一気に減らすのではなく徐々に減らします。)
また、減らし過ぎて離脱症状が出てしまった場合でも、増やせばその離脱症状は一発で収まりました。
(睡眠不足で離脱症状が起きているのを我慢して耳鳴りがしたのは戻らず、失敗しました。減薬して辛い離脱症状の我慢だけは、ぜひ避けて欲しいです。)
まとめ
私は、ようやく、常用量の服用で離脱症状が起きた10mg/日に達したばかりで減薬初心者です。この先の減薬、壁の事は分かりません。。
ただ、一時的に服薬量を1.2倍に1年間ほど増量し、以前では離脱症状に苦しんだ10mg/日でも、『特に離脱症状無し』の生活が送れているので、この方法もひとつかも知れないです。
現在も減薬を進めていますが、(減薬スピードは落ちても)まだまだ進められる余地はある感じです。
個人差があるのでこのままは無理と思いますが、使えそうな所があったらアレンジしてみてください。
ご参考になれば幸いです。