減薬方法の種類

ベンゾジアゼピン系の薬を断薬する際に、多くの人は強い離脱症状に悩まされます。

私もかつて(減薬の知識も無い時)、薬を減らそうと ―経験的に段階的に減らした方が良いとは思ったので― 3/4に減らしたり、服用する間隔を広げたりと試していました。当然のことながら、その際には、離脱症状が起きました。

この時は、断薬の必要性は特に無かったため(頭痛薬くらいの認識)、「薬を止められないこと」にも、特に落ち込むことも無く、引き続き同容量を服用していました。

ベンゾジアゼピン系の薬のことを知らない人は、

「なんでこんな面倒なことしているの? 神経質過ぎるよ。」と思われる方がほとんどと思いますが、実際に自分が体験をしてみると、ほんの少しの減薬(1/4かけら)しただけで、つらい離脱症状が起きます。

(私も当事者ですが) 不思議な事に、「たったこれぽっちで!?」の世界です。

当然ですが、自身で離脱症状を体験し、『ベンゾジアゼピン』『離脱症状』という知識を知るまでは、疑いすらしないのも厄介な所です。

前置きはさておき、少しずつの減薬を行う方法は複数あります。

以下に3つの方法について紹介をしたいと思います。

減薬の方法

ベンゾジアゼピンや抗うつ薬などの薬を一気に止めても特に離脱症状が起きない人もおり、また人によって離脱症状の現れ方も様々な様ですので、自分で方法を見つける必要があります。(多剤服用の場合には、それぞれの薬でペースなども異なりますので、これにも注意が必要です。)

※ちなみに、私は、SSRI系抗うつ薬、デパケン、テグレトールを2,3年間服用していた時期がありますが、一気に止めても大きな離脱症状はでませんでした。しかし、ベンゾジアゼピン系の薬であるレキソタンの離脱症状は、非常に強く表れます。私の減薬対象はレキソタンのみです。

減薬を行うペースは人それぞれですが、ネットなどで他の体験者の方の様子を見ると大体2~4年間はかかっている様です。(※19年11月現在、私は8ヶ月目ですが、全体量の60%(40%は減らせた)ですので、2~4年間は妥当な期間であると思います。)

ここで、話は逸れさせてもらいます。

減薬に際して、主治医の先生と相談をしながら行うのが正しい方法です。先生を味方につけてください。減薬に関しては精神科の先生が詳しいです。(デパスやベンゾジアゼピン系の睡眠薬は内科や整形外科などでも処方されている様で、そこからベンゾジアゼピン系の薬の服用がスタートしてしまっている方も多いです。)

最近は、ベンゾジアゼピンの影響について理解のある先生が増えてきましたが、残念ながら詳しく知らない先生もいらっしゃいます。

先に記しました、離脱症状が出る人/でない人がいる。同じ人でも薬の種類によって離脱症状の程度が異なる場合もある。減薬ペースも人それぞれ。減薬はごく微量ずつ。(半分とか1/4錠とかそういった大きい階段ではない。)

などを頭の片隅に置きながら、自分に合った先生を選ぶと良いと思います。さらに、減薬ペースや離脱症状の種類、現れ方は十人十色ですので、最終的な方法や判断は自分自身が決めるしかありません。

※「2週間様子を見ましょう」という言葉は、なかなか危険です。服用した薬が代謝され、体内から無視できるレベルの量まで減るのは、確かに2週間程度ですので、この言葉の意味は合っています。(メイラックスは半減期が非常に長いので無視できるレベルの代謝は難しいかもしれません。) しかし、離脱症状は、脳内の伝達物質や受容体が影響を受けて起きている現象なので、別の話になります。ただ(私のケースですが)離脱症状自体も2~3週間ごとに、頭痛、目眩、耳鳴り、不眠などがころころと変わっていくので、それも自分で見極めるしかないです。

話を戻します。

一般的にですが、減薬を行う際、前半は余裕があり、大体、週に数%レベルの減薬ペース。後半は0.1%レベルの減薬になると思います。(本当の最後の方は、もっと少なく減薬をする必要が出てきます。)

減薬の量は1%の単位は必須ですので、それを計る為には、0.1%~0.5%が追える精度の方法が欲しいです。計量誤差がどうしても出てしまうためです。

薬の量を細かくコントロールする方法として、

  • 目盛りを読み易くして減らす → かさ増しをする。
  • 精度の良い秤で錠剤自体をダイレクトに減らす。
  • 疑似的に体内に残る薬の量を減らす。 → 『体内』というバッファ(?)を使う

の方法になります。

水溶液減薬法 (テーパリング, タイトレーション)

漸減法のひとつです。名前は難しそうですが、要は「かさ増し」をして、「必要な量に調整する」ということです。理屈は難しくありません。

現在、この方法が、ほぼ主流の様です。

例えば、

薬を100mlの水(もしくは牛乳など)に溶かして、そこから注射器で減薬する分を抜き取り、残った水溶液を服用する。

方法です。

100mlから1mlを抜けば1%の減薬という事で分かり易いです。

同様に、100mlから18mlを抜けば18%の減薬となります。

また、細かく調整をしたい場合には、溶かす水溶液の量を増やせば、精度が上がります。(ただ、減薬率がさほど進んでいない場合は、水溶液の量が多くて飲むのが大変かもしれません。)

この水溶液として、水が一般的ですが、牛乳などを使う場合もあります。

抜き取る方法は、注射器で抜く方法が一般的です。

水溶液の器として、計量カップや、ビーカー、メスシリンダなど、使いやすいものを選ぶと良いです。

※注射器と言っても、特殊では無く、DIYショップなどで容易に入手が可能です。(一般的なものは針無しです)
小容量の注射器にはに針が付いているものもありますが、所持していても違法では無いのでご安心をしてください。(鋭利な針が付いていなければOKです。)

一例としてこの様な物です↓

『カテーテルチップ』と言うのは、本来、胃ろうなど栄養補給用に使用するものですが、先端が円錐状で適度に長いのでビーカー, コップからの吸い取りに便利です。また、先端が横に付いているのもは、注射器内に溜まった空気も抜く際、真上に向ける必要もなく、傾ける程度でOKなので便利です。

特徴

  • 道具がそれなりにかさばる。
  • 作り置きしておくことが出来る。
  • 外出の際は、液体を持ち歩く必要がある。
  • 1日程度の外出なら持ち歩きはOKだが、長期の出張や旅行の場合、対策を考える必要あり。
  • 友人、会社の同僚など事情を知らない人が同行している場合には、服用する際に目立つ。

私の経験談 (水溶液減薬法)

開始時に試行錯誤をしましたが、現在私は、この水溶液減薬法を利用しています。

かさ増しには、水で無く、飲むヨーグルト(牛乳が苦手なため)を使用しています。

また、当初、シリンジを使用して抜き取っていましたが、洗浄に手間が掛る為、キッチンスケールを使用しています。

例えばこの様なスケールで0.1g単位で計れます↓↓

 

詳細のやり方をこちらに記述しました。よろしかったらご覧ください↓↓

現在、飲むヨーグルトを使った水溶液減薬法にて減薬を行っています。種類としては、ミルクタイトレーションですね。 手順は、水で行う水溶液減薬法...

薬の種類と溶けやすさ(他のページの紹介)

私は、レキソタンを水溶液減薬法にて減薬を行っていますが、レキソタンはかなり水に溶けやすい(崩れやすい)部類ですが、反面、溶けにくい薬も沢山あります。(成分というより、薬の形状、コーティング剤、添加物などが溶ける/溶けないの主たる要因です。)

チーズ☆彡』さんが薬ごとに、一覧表としてまとめてくださっており、特にこれから水溶液減薬をされる方には非常に有益な情報です。

豆腐メンタルのリボトリール(ベンゾジアゼピン)断薬への道 ― 水溶液タイトレーションできる薬(求情報♡)

精密秤を使用した方法

漸減法のひとつです。

精密秤は0.001g単位で計る事ができます。(種類によりますが薬1錠の重さは0.1~0.2g程度です。)

具体的には、服用する薬を計った後に、カッターやナイフ、ヤスリ(ネイル用のヤスリが便利と思います)などで削り、再度計り、希望の量にする方法です。

マイナス表示のできるものでしたら、削る前の薬を乗せ、風袋引き機能で0gにリセットをし、その後に削れば、削った量が重さとして表示されます。

精密天秤も割と安価で入手しやすく、主に宝石や貴金属などの重さを計るために使用する目的で販売されています。

一例としてこの様な物です↓↓ (本当は私も欲しいです。)
校正用のおもりや、風袋引きが出来るものが良いです。0.001gから計測できるものがほとんどです。(薬の重さは1錠0.1~0.2g程度なので、精度的には1%レベルで追うことができます。)

特徴

  • 道具が必要だが、コンパクト。
  • 作り置きしておくことが出来る。
  • 長期の外出でも、作り置きを持ち運ぶことが可能。
  • 外でも普通の薬の様にこっそり飲める。(作り置きの場合)
  • 細かい作業が必要。手の湿気などで重さも変化するかもしれない。

隔日法

薬を服用する間隔を広げて、身体に取り込む薬の量を減らす方法です。

例えば、1日3回服用の薬を1日2回, 1日1回, 2日で1回服用の様に。

一般的には、間が空いてきたら、途中で薬を減らして(例えば半分)にして、改めて隔日法を行って。。と繰り返していき徐々に減らして行きます。

特徴

  • 道具が不要
  • 今までの薬で行える。
  • 長期の外出、勤務先などでも今まで通りの服用方法

私の経験談 (隔日法)

漸減法を行っている方のブログを拝見すると、後半は数%の減薬になってくるので、隔日法で同じ効果を実現することが難しいと感じました。

また、減薬が進み途中で薬を減らした場合、そのつなぎ目で起きる現象(離脱症状or元々の症状なのか。など)の判断が難しいと思いました。

間隔が広くなってくると、服用した際のピークが大きくなるため、それを吸収できるくらいの半減期の長い薬で行った方が良いと思います。

私も、試験的に行ったことがありますが、ベンゾジアゼピン系の薬で離脱症状が割りと出やすい人には、あまり向いていないと思います。

また、私の経験では、12mg/day を、

①6mg 1日2回服用
と、
②4mg 1日3回服用

では、②4mgの方が離脱症状が少なかったです。

服用する薬の特性にもよるのでしょうが、なかなか難しいものだと思いました。

まとめ

減薬法にはそれぞれ一長一短があります。

私は、水溶液減薬法にて行っていますが、外出の際には、その時の減薬量に近い用量の錠剤を1錠や半錠に割って飲んだり、

また、服用する時間帯をシフトしたい場合には、隔日法を取り入れています。

人それぞれ、ライフスタイルや向き不向き、外出が多い環境か、など異なりますので、固く考えずに、いろいろ試してみて自分に合う方法を見つけると良いと思います。

現在の私の減薬状況

現在の減薬状況

更新日: 20年5月27日
※基準は12mg/dayがスタート値でそれを100%と記しています。

先月の状況↓↓

14ヶ月目…

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